京都の街あるきのススメ ―下鴨神社と北野天満宮で味わう、夏の涼―
こんにちは、Sharing Kyotoの小出です。
京都の夏はとにかく暑い。気温が40度近くまで上がる日もあり、「観光はちょっと…」と二の足を踏む方も多いのではないでしょうか。
そんな猛暑の中でも京都らしい夏を楽しむ方法があります。今回は、涼を感じながら過ごせるおすすめの2つのエリアをご紹介します。
出町柳エリア|下鴨神社の御手洗社例祭と冷麺
毎年7月、土用の丑の日前後に行われる下鴨神社の御手洗社例祭(通称「足つけ神事」)。境内奥の御手洗池に膝まで足を浸し、無病息災を祈る行事です。澄んだ湧き水は、賀茂川の地下水脈から流れ込み、真夏でも手がかじかむほどの冷たさ。
水に足を入れた瞬間、ひんやり感がスーッと全身を駆け抜け、思わず背筋が伸びます。今年は夕方に訪れたせいか、境内は提灯の灯りが揺れ、蝉の声と人々の笑い声が重なり合い、例年以上に賑やかでした。
「人のぬくもりでぬるくなってるんじゃ…?」と毎年思うのですが、足を入れた途端、その想像以上のひんやり感にハッとし、すぐに心地よい涼しさに包まれます。
7月19日〜27日(※一部日程除く)には露店も並び、境内は木陰と川のせせらぎ、人々の笑い声が混じり合う夏らしい賑わいに包まれていました。
ひとしきり涼んだあとは、出町柳駅近くの 李朝喫茶 李青 へ。
緑が映える入り口を抜けると、李朝家具とオランダ家具で設えられた落ち着いた空間が広がります。ここの冷麺は、透き通るスープとコシのある麺が絶妙で、個人的に京都No.1。酸味と冷たさで、祭りで火照った体が一気にクールダウンします。人気店のため満席のことも多いので、予約して行くのがおすすめです。
北野天満宮エリア|御手洗足つけ燈明神事と一本うどん
北野天満宮といえば、秋の「史跡御土居のもみじ苑」へ紅葉を見に行くのが毎年の恒例行事。そんな私ですが、この夏は初めて「御手洗足つけ燈明神事」に訪れました。
下鴨神社の御手洗祭も趣がありますが、北野天満宮はまた違った魅力があります。今回訪れたのは雨上がりの終わりがけ。人出は控えめで、足つけを思う存分ゆったりと楽しめました。観光客で賑わう下鴨とは対照的に、静かな時間が流れる境内。足を湧き水に浸すと、冷たさがスッと身体を包み、心まで清らかになる感覚です。
そして、北野天満宮の真骨頂は夜。提灯の灯りが水面に揺らめき、厳かな社殿とあいまって、幻想的な空間が広がります。昼間の明るく爽やかな涼も良いですが、夜に訪れるのであれば、下鴨神社よりも断然こちらをおすすめしたいほどの美しさ。
さらに、タイミングが合えば「北野夏祭り」も楽しめます。8月8日〜11日、そして8月15日〜17日の午後4時から8時まで、北野商店街振興組合による屋台が並びます。下鴨の露店とは一味違い、地元商店が手がける屋台はクオリティもホスピタリティも高く、観光だけでなく“町の温かさ”も感じられるはずです。
涼んだあとは、北野天満宮の門前にある老舗うどん店「たわらや」へ。
名物は、太くて長い「一本うどん」。長寿になるとの噂もあり、見た目も味も迫力満点です。昔ながらの茶店風の佇まいに、俵の絵が描かれたのれんが目印。うどんはもちろん、お蕎麦やほのかな梅の香りが広がる「梅餡のどら焼き」も絶品で、参拝後のひとときを豊かにしてくれます。
京都の夏は厳しいですが、少し工夫すれば特別な一日になります。来年は皆さんも、御手洗祭りで夏の京都の涼を楽しんでみてください!
