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2024.08.29

2024年6月のインバウンド市場レポート~京都のインバウンド市場の今~

2024年6月のインバウンド市場レポート~京都のインバウンド市場の今~

2024年6月のインバウンド市場

インバウンド市場の現状と予測

出展:日本政府観光局(JNTO)

2022年10月の訪日外国人観光客の受け入れ再開に伴い、インバウンド市場は一気に回復へと進みました。2023年に続き2024年も訪日外客数の伸びは好調で、6月末時点で1,777万人を記録。これはコロナ禍前の2019年の水準を超える勢いで、2024年は過去最高の3,310万人の見通しです。

最新の動向

今年6月の訪日外客数を国別で見てみると、1位は韓国、2位は中国、次いで台湾、米国と続いています。どの国もこれまでの記録を上回っており、順調に回復していることが分かります。

最新の動向

出展:2023年 インバウンド特集レポート(やまとごころ)

コロナ禍以前よりSNS等による情報収集は一般的になりつつありましたが、その傾向がより強くなっています。最近では「動画サイト」も主流となっており、次いで「SNS」「個人ブログ」と続いています。国・地域別で見ても、差はありますがSNSと動画サイトによる情報収集の割合が高いことが分かります。

京都のインバウンド市場

京都のインバウンド市場

出展:京都市観光協会データ月報 日本政府観光局(JNTO)

京都市内の宿泊率の推移を見てみると、総延べ宿泊者数の外国人比率が2024年3月~6月の4ヵ月連続で2019年同月を上回っており、2024年は過去最高の水準となることが期待できます。また2024年4月は2014年の統計開始から過去最高を記録しました。

京都のインバウンド市場

出展:日本政府観光局(JNTO)

上段のグラフは、京都府の外国人延べ宿泊者数を国別で表したものです。先述した通り、全国ではアジアが圧倒的に多いですが、京都だけを見ると 1位は米国の方になっています。また、韓国の方は京都にあまり宿泊していないことも特長のひとつです。下段のグラフは都道府県別の訪問率をランキング化しており、東京、大阪、千葉、京都の割合が多くなっており、京都に数多くの外国人が訪れていることがわかります。

京都のインバウンド市場

出展:京都市観光協会 令和5年 京都観光総合調査

消費動向からは、「モノ」より「コト」消費が拡大しています。寺社仏閣巡りや桜・紅葉鑑賞はもちろんのこと、「体験型」(工芸制作や着付け体験など)へのコト消費が拡大していることがわかります。



最後に

訪日需要は今後も好調に続くと見られますが、一方で人気観光地でのオーバーツーリズムの課題が深刻化する可能性が高くなっています。実際に京都でも、公共交通機関の混雑や観光客のマナー違反などの問題がニュースで取り上げられており、今後訪日外客数の伸びは緩やかになっていくのではという見解もあります。

▼ オーバーツーリズム関連記事
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・「訪日旅行者 過去最多 これからの観光は」(前半)(NHK)
・「訪日旅行者 過去最多 これからの観光は」(後半)(NHK)
・京都・祇園の私道を「通行禁止」へ、罰金1万円 侵入・芸舞妓取り囲みの迷惑行為相次ぐ(産経新聞)
・深刻化する京都のオーバーツーリズム「大量のゴミで不衛生」「移動手段が機能しない」との声も(YahooNews)

▼出典
・訪日外客統計 月次報告/日本政府観光局(JNTO)
・日本の観光統計データ/日本政府観光局(JNTO)
・2023年 インバウンド特集レポート/やまとごころ
・2023年 訪日外国人の消費動向/観光庁
・京都市観光協会データ月報/京都市観光局
・令和5年(2023年)京都観光総合調査/京都市観光局